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目線をかえると見えてくる

第1回 プチUDのススメ

第1回 プチUDのススメ
 最近よくUD(ユニバーサルデザイン)という言葉を耳にします。ユニバーサルという英語を翻訳すると「普遍的な・全ての」という意味らしいのですが、まだまだ日本ではバリアフリーと混同して使われることが多いようです。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
図1



 
 
図2
 
 
 

 バリアフリーとユニバーサルデザインの大きな違いは、根本的な発想(概念)の違いです。これはどういうことかといいますと、普段、私たちが生活している生活環境には非常に多くの障壁(障害)があります。たとえば道路や建造物などの入り口などにある段差などです。このような障壁を取り除くためにスロープや手摺など、後付けの形で取り除くために造られたものをバリアフリーデザインといいます。これに対して、最初から全ての人に「障壁」を感じさせないようなやさしいモノという発想の元に生まれたものがユニバーサルデザインと言われています。モノ創りを初めからユニバーサルデザインの構想に沿った形で行なうことにより、最初から障壁が存在するモノを改造したり、後付けで作り変える際に発生する廃棄物等の問題も減り、最終的には環境対策にも繋がるのです。

 これに伴い、近年多くの国や自治体などで、このユニバーサルデザインを取り入れようという動きがあります。しかし実際のところ、今すぐ全ての生活環境をユニバーサルデザインにするということは非常に難しいのが現実のようです。というのも、私たちの周りの生活環境のほとんどが、ある程度の障壁を持って出来上がってしまっているからです。
現状全てを今すぐにユニバーサルデザインの構想に沿ったものに作り変えるためには非常に多くの費用やエネルギーが必要になります。またこれに伴い、廃棄物なども多量に排出されることが予想されるため、折角良いモノが出来上がっても意味がありません。

 ではどうすればいいのか?それは、少しだけ目線を変えることで見えてくるのではないでしょうか。たとえば街でよく目にするこの光景(図1参照)。これは歩道上のバス停などに設けられた休憩用のベンチと点字ブロックです。この光景は目の不自由な方にも優しく、バスを待つ間、立ちっぱなしではいられない足腰が弱かったり、肢体が不自由な方に優しいように見えます。しかしよく見てると、点字ブロックとベンチの間隔が非常に狭いため、ベンチに人が座ると点字ブロックをベンチに座った人の足でふさいでしまい、点字ブロックの意味が無くなってしまうのです。

 このような場合、ベンチの後ろにある花壇のスペースに花壇を完全に潰してしまわないように、必要な分だけベンチを後ろに下げることで前のスペースを確保し、初めてお互いに優しいデザインとなるのです。(図2参照)

 もうひとつは歩道と車道の境目です。数年前までは、マウンドアップ方式といういわゆる車道より歩道が一段(10cm前後)上がった道路の設計・施工が主流でした。しかし最近では障害のある方やお年寄りなどに優しくという観点もあってか、車道と歩道の段差を無くし、歩車道の境界部分には境界ブロックだけを突き出した形とし、横断歩道などの歩車道が交わる部分では路面をフラットにしたものが主流となってきました。

 しかし、一見優しく見えるこのような道路も、目の不自由な方々には車道と歩道の境目がわからず、非常に危険だということに最近、気付かされました。公共の施設を個人で変更するには法的にも経済的にも無理があります。このような場合、その道路を管理している関係役所などに相談して歩道上に点字ブロックを施工してもらうか、車道と歩道の境界に車椅子等でも無理がない程度の段差の境界ブロック等を埋め込んでもらえるように相談してみましょう。

 このように、ちょっと目線や見る角度を変えるだけで、今まで気付かなかったものが見えてくるのではないかと思います。皆さんも一度「自分にできるプチユニバーサルデザイン」にチャレンジしてみて下さい。

(イラスト・画像:がめら)




2003 |
第4回 目指せココロのUD(その2) (2003/05/09)
第3回 目指せココロのUD (2003/03/28)
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