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新人危機管理コンサルタント奮闘記(11)〜危機管理って難しい?

降水確率から何を判断し、どう対応するか?

 〜2008年がはじまりました〜と書いたのが昨日のことのように思えるくらい、猛スピードで駆け抜けた一年でした。さぁ、2009年の幕開けです。
 防犯教室の講師を初めて務めたり、応急手当の講座を開催したり、現場を回ったり、様々な経験をすることができ、とても充実した2008年でした。

 突然ですが、「今日の降水確率は30%です」というニュースを見たら、皆さんはどうしますか?
 長い傘を持って出かける人、折りたたみ傘を持って出かける人、傘は持たないで出かける人がいるでしょう。その対応は様々だと思います。
 私だったら、「雨が降る確率は低そうだから、傘を持たないで出かける」と判断するでしょう。万一雨が降っても、少しくらい濡れても構わないという考えがこう判断させるのかもしれません。
 しかし、人によっては、「雨に濡れるのは嫌だから傘を持っていく」と考えるでしょうし、「雨に降られたくはないけれど、荷物が邪魔なので折りたたみ傘を持っていく」と判断する人もいるでしょう。
 「雨が降る」「濡れる」ということに対しては、人それぞれ感じ方が異なり、この対応が危機管理に繋がっているのです。

 人は、日々の生活の中で様々なことを判断しています。スーパーで買い物をする時により安いものを買うのか、高くても納得できるものを買うのか、交通量が多い道を歩くのか少ない道を歩くのか、暑い日に帽子を被るか被らないか、飲料水を持ち歩くのか持ち歩かないのか、など様々です。
 そして、それを判断するためには、その裏にどんな危険があるのかを考えているのです。

 例えば、「雨」への対応について。雨に濡れることが嫌な人は、小雨であっても濡れないように傘をさすでしょう。しかし、少量の雨であれば濡れても構わないという人は、傘を持っていなければささないで歩くでしょう。私のように、濡れても構わないという人は、近場であれば持っていても傘をささずに歩くかもしれません。
 その裏には、雨に濡れた後に風邪をひく可能性を考えたり、荷物が濡れてしまう可能性や洋服が濡れて臭ってしまうということを考えているのです。

危機管理意識を高めるためには経験を積み重ねる

 放課後遊びの現場を回り、スタッフの皆さんから様々なお話を聞く機会がありました。
 子ども達の安全を守るためにどのようなことをしているのかというお話を聞いていたのですが、ほとんどの方は「現場に関わってから安全を意識するようになった」「自分の子どものことを考えるようになってから子どもの安全を意識するようになった」とおっしゃっていました。そして、研修会で話を聞くだけでなく、日々の活動の中にどのような危険が潜んでいるのかを考えることが必要だと感じている方もいらっしゃいました。
 このことからも、「教えてもらう」という受け身的行動ではなく「学ぶ」という自発的行動でなければ、いくら知識を得てもそれを自分のものにすることはできないのだということも感じました。

 例えば、ただ道を歩いているだけの人と、どこにどんな危険が潜んでいるかを考えて歩いている人とでは、危機管理意識が全く異なります。
 さらに、そのことを考えている期間が長い方が、様々なことを想定するという考察力や経験値が増えていくのです。

 人間は、生まれてから死ぬまでの間に、様々な危機に直面します。その度に、どのように危機を回避するのか、どのように最小限の被害にとどめるのかを決定し、生きてゆきます。人間だけではなく、動物も同じこと。自分自身の命を守る為に、危機を本能的に回避する術を覚えるのです。

 転んだら痛いので転ばないようにするにはどうするのか、近くても険しい山道を歩くのか、遠まわりでも歩きやすい道を歩くのかというように、様々なことを考えて日々生活をしていきます。
 結果的には生きている限り無意識のうちに危機管理をしていることになるのではないでしょうか。

 自分を守るため、人を守るためには、様々な手段があり、それを選択していかなければなりません。
 何を選択するのか、それによるリスクがどのくらいあるのかを考えて、経験を積み重ねていくことが、危機管理であり、実は身近な所に存在しています。
 危機管理意識を高めるためには、何が危険なのか、どうしたら安全なのかを学び、経験を積み重ねることが重要となるのです。

 普段なぜその道を通っているのか、考えてみてください。近いから、早く着くから、道が広いから、交通量が少ないから……など理由は様々あると思います。そして、その道が「危険だ」と感じた時、違う手段を考え行動するはずです。皆さんが無意識のうちに判断し、選択していることが、危機管理に繋がっています。
 身近なことから、出来ることからコツコツと。まずは日常の中から危機管理をしてみませんか。

文:須藤綾子




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