携帯電話を見て触って、体験することから学ぶ
| テーマ |
「体験を通して学ぶ携帯電話の光と影」 |
| 単元名 |
「職場体験でケータイを活用しよう!」 |
| 対象学年 |
小学6年生 |
| ねらい |
・携帯電話の利用に関するルールやマナーを理解する。 |
| ・携帯電話の基本的な機能や操作方法について理解する。 | |
| 教 材 |
・パソコン(1人1台) |
| ・「伸ばそう ICTメディアリテラシー」より「ケータイを持って街へ出かけよう! お使いシミュレーター」ソフト(総務省 ICTメディアリテラシー育成プログラム) |
| ・携帯電話(8台) |
| 授業者 |
佐和伸明 教諭 | |
ケータイではどんなことができる?
「“ケータイ”って何だか知ってる?」 「電話!」「いろんな機能がついてる」「持ち運べる」「メールもできるよ」……。 佐和先生の問いかけに、6年3組の子どもたちが次々と答えていく。
この日は、総合的な学習の時間を使って「情報モラル教育」が行われた。単元は「職場体験でケータイを活用しよう!」。次週に控えた職場体験授業で、携帯電話を利用するために、使用の際のルールやマナーを理解し、基本的な操作方法を知ることが目的だ。
パソコンルームで始まった授業では、冒頭の質問に続き、子どもたちは、携帯電話はゲーム、メール、QRコードの読み込み、写真撮影機能、テレビなど、多機能を備えていることを先生とのやりとりで確認した。
シミュレーターソフトでケータイ擬似体験
次に、こうした多機能を備えた携帯電話を利用する際のマナーやルールを知るため、パソコンのシミュレーターソフトで携帯電話操作の疑似体験をした。このソフトは総務省が無料で提供しているICTメディアリテラシー育成プログラムで、検索機能やメール、ブログなど、インターネットや携帯電話の機能、それぞれの上手な利用法やマナーについて5つのテーマに分けて学習できる。
今回はこの中の「ケータイを持って街へ出かけよう! お使いシミュレーター」を使った。佐和先生から、画面に出てくる文章はきちんと読んでから選択肢を選ぶ、という注意事項を伝えられた後、各自が操作を始めた。
この学習テーマでは、幼稚園へ妹を迎えに行かなくてはならなくなった母親にかわって、僕(私)が本を買いに行く、というストーリーを使い、その過程で携帯電話の使い方にまつわるルールやマナーを学べる仕組みとなっている。「電車に乗るときのモード」「電車内での通話」「雑誌をカメラ機能で撮影」「有名人をカメラ機能で撮影」などの場面があり、それぞれどう行動すればよいかを選択肢から選んでいく。
例えば、電車に乗る前の選択肢は「マナーモードをonにする」「メールを確認する」「何もしない」の3つ。「何もしない」を選択すると、車中でお母さんからの電話に出てしまい、隣のおじさんから「車内では携帯電話で話してはいけないよ」と注意されるなど、きめ細かいシチュエーションが用意されている。
子どもたちは、パソコンの操作と共に、各場面で自分が選択した項目と、なぜその項目を選んだのかの理由をワークシートに記入していった。「マナーモードにする」を選んだ子どもは、理由欄に「迷惑だから」と書いた。それを見た佐和先生は、「誰が迷惑なの? そこまで細かく書こうね」と、子どもたちがより具体的に場面をイメージできるようアドバイスしていた。
15分ほどで全員の操作が終わると、ワークシートを見ながら、各自が選んだ項目を発表していった。電車に乗る前は、「マナーモードをonにする」を選んだ子どもが大多数。しかし、「メールを確認する」「何もしない」を選んだ子どももいた。佐和先生はそれぞれ理由を聞いていく。
「何もしない」を選んだ子どもは「電話がかかってこない可能性もあるから」と答えた。 「メールをチェックする」を選んだ子どもは「お母さんから連絡が入っているかもしれないし」との答え。 わいわいと意見があがる中で、まずここでは、「何もしない」のは駄目、ということを確認し、理由を考えた。
「周りの人が“うるさい”と感じる」「ペースメーカーをつけている人がいるかも」などの答えがあり、結果としては「マナーモードをonにする」が正しいこと、また、電車以外でも精密機械などを扱う場所ではマナーモードにすることを佐和先生のリードで学んでいく。
続いて、デジタル万引きや、有名人の撮影では何が問題なのかを考え、前年度に学んだ、著作権や肖像権のことを思い出しながら、どうすればよいかを考えた。
実物を触って操作を体験
次に、いよいよ実際に携帯電話を使ってみる。クラスを8グループにわけ、1グループ(5〜6人)につき、1台の携帯電話が配られた。この携帯電話はウィルコム社から貸し出しされたのもので、事前に、使いやすく、また、危険のないようカスタマイズされている。
マナーモードの使い方、電源の切り方、電話のかけ方、カメラの使い方、メール送信の方法などを佐和先生が説明し、子どもたちが実際に操作していった。本物の携帯電話を手にした子どもたちは嬉しそう。使い方を覚えると、それぞれ順番に操作し、教え合っていた。写真を撮る際は、シミュレーターで学んだことを活かし、「撮ってもいいですか」と聞く練習もしていた。
授業のまとめで佐和先生は「携帯電話の使い方は、特に難しくはありません。使い方よりも大事なことはルールやマナーです。これに気をつけられない人は携帯電話を使ってはいけません」と話し、最後にこう付け加えた。
「ただ一方で、携帯電話はとても便利な道具です。連絡がすぐとれるし、写真機能を使えば簡単に記録もできる。だからみんなには、ルールやマナーを守って、上手に使って欲しいです」。
最後まで先生の目を見て聞いていた子どもたち。次週に控えた職場体験がよりいっそう楽しみになってきた様子だった。
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